切符をしっかり持っておいで
Bird's- eye view
Essay
さあ、切符をしっかり持っておいで。
お前はもう夢の鉄道の中でなしに
本当の世界の火やはげしい波の中を
大股にまっすぐあるいて行かなければいけない。
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切符をしっかり
持っておいで
お前はもう夢の鉄道の中でなしに
本当の世界の火やはげしい波の中を
大股にまっすぐあるいて行かなければいけない。
とても力強く背中を押してくれるこの言葉が、心に沁み入ってきました。
数多くの出版社から「銀河鉄道の夜」は出されていますが、ほとんどの本では上記の部分の記述がカットされているそうです(賢治は原稿を何度も推敲していて、現在ではここの部分が「削除」されたものを「決定稿」とみなすことが多いからだそうです)。したがって、ここの部分の記述がある本は現在とても少なくなっているとのことです。
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地域おこし協力隊を2018年6月に卒業し、11月中旬にライティング・編集活動に専念することを決意した。すこし前、僕はどんな心境だったのだろうかと思いフェイスブック「宇部芳彦のページ」をめくっていたら、10月17日に掲載していたこの記事が目に入ってきた(*印の上の文章はフェイスブックの記事を再掲したもの)。
さまざまな困難に立ち向かっていく勇気を賢治のこの言葉からもらったような気がした。
< 文・写真/宇部芳彦>