集客戦略論 -1 フラッグの力を評価せよ!

Bird's-eye viewイメージ 1

集客戦略論 –1
フラッグの力を評価せよ!
 ― 施設の雰囲気をつくる演出 -

                                                                  20128.11.26

 写真は「釜石市民ホールTETTO」です。
 TETTOはテットと読みます。
 鉄の都(鉄都)であり、イタリア語で「屋根」の意味なのだそうです。
 
 僕はこの施設を見たとき「なかなかやるな!」と思いました。
 それはなぜか?
 屋根の下に掲げられている「TETTO」というフラッグ(旗)が施設を美しく飾っていたからであり、フラッグがこの施設の雰囲気をつくり上げていると感じたからです。
 
宇部集客施設のフラッグの役割は大きいんだ。フラッグ演出がしっかりしているところはやイメージ 2る気があると見ていい」
 これは、僕のいた出版社の企画調査部長が教えてくれたことです。
 その部長は、僕が新卒で入社した2か月目のことですけれども、沖縄のリゾートホテルの取材に僕を同行させました。

 ホテルのロビーには南欧風のフラッグが吊ってありました。
 インタビューする相手を待つあいだ、ロビーのフラッグを仰ぎ見ながら部長は僕にそう説明してくれました。
 
 僕はこのホテルに入ったときに「南国リゾート」という感覚が自然に湧き上がってきていました。部長の言葉に触発されて、あらためて上を見た僕は「フラッグの効果だ」と確信しました。南国の雰囲気を感じたのは、フラッグを無意識のうちに目で捉えていたからこそだったわけです。
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 逆を想像してみればどれだけ大きな役割をフラッグが果たしているかがわかります。たとえば、右の写真の「TETTO」のフラッグがない場合は…。
 おそらくまったく味気ないただの建物という印象しか受けないと思いますが、いかがでしょうか。


 以来、部長の言葉は取材をする際の指標の一つになりました。いまでも、フラッグによって空間に流れる雰囲気をつくりだしている施設を見ると、僕はもうそれだけで
「ここはがんばっているな」と感じます。イメージ 4





 *右写真は青森県八戸市の市民広場「マチニワ」にイベントのときに掛けられたバナーフラッグ
 子どもが思わず足を止めて引き込まれているのがわかります。


                              
                                                                                           *文・写真/宇部芳彦